「もやい」って言葉を知ってる？

共同で使ったり、所有したりするってこと。

って、ある辞典には書いてある。

ボクが幼少の頃は、それが普通だった。

遊び道具、勉強道具もみんな、そうだった。

品物が少なかった時代、だから、値段も高い。

やっと手に入れた品。

当然、大事に「もやい」で使い合う。

「おさがり」というのもあってね。

例えば、兄ちゃんが使っていたランドセルは

次は弟のランドセルになる。

譲り受ける時、

あの大好きな兄ちゃんからの「おさがり」だって、

とても嬉しかった。

『これは兄ちゃんが使っていた』という

誇りのようなものも感じていた。

そんな時代を生きたボクたち。

今、品物の豊富な時代になっても

もったいなく思えて、捨てたり、新しく買うってことが出来なくて困ってしまう。

かつて、中学への進学祝いの定番だったシャープペンシル。

高校進学は万年筆、そして腕時計。

その時代、一家にあるかどうかのカメラでさえ

今では使い捨てになっている。

電化製品全てが使い捨てだと言ってもいいくらい。

修理するより買い換えた方が賢い手段になってきている。

衣服だって同じ。

布施をする手間より、買った方が早い、安い・・・か。

凄い時代。むごい時代。

気が付いてみれば、人間まで、使い捨てになっちまったね。

都合の良い時だけ使われて、後はポイ捨て。

これからは人工知能が大活躍。

クローン人間まで登場する？　　

なんてこった。これじゃあ、ボクら人間の持っている能力が

持ち腐れていく。。。

自然に逆らえばバチが当たるって

大好きだったじいちゃんが、言ってた。

地に落ちたね。

豊かになって心は貧乏、頭はバカになっていくね、ボクら人間。