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2021/12/03 17:04

ボクが産声を上げたのは、昭和31年2月18日の土曜日。九州は熊本県の水俣市。陣内という小さな町の借家だった、らしい。「昭和」。。。その後のボクの記憶では、そこは、誰もが生きるのに必死でいて、大らかな時代だった。近所から聞こえてくる、大きな笑い声や泣き声。母親はママではなく母ちゃん。父親もパパではなく父ちゃんだった。みんな暮らしは貧しかったけれど、物が少なかった分?心は何かで満たされていた。大人はとても忙しく仕事ばかりやっていて、沢山いる子どもに構ってなんかいられない。子供だったボクらは、フセにフセを重ねた、お下がりの服を着て、乳飲み子たちのお守りをしながら遊んでいた。ゴザ一枚を地面に敷くだけで、いろんな世界へ行けたし、空だって飛べた。ある冬の日、ビタミン不足?のボクらは青バナをすすりながら、風呂敷を顔に巻きつけて忍者になった。円陣を組み作戦会議。そして、お城のお姫様をさらいに行く。とっ、敵の落とし穴に、まんまと落ちてしまったこともある。やられた~~~!敵もさる者だった。